ファンタジックチルドレン

数年前に放送されていたアニメ、というよりアクエリオンの前に放送されていたアニメといった方が時期が分かりやすいかも。
深夜に放送されていたので、あまり知らない人も多いと思います。
ですが私はこの作品が大好き!21世紀になってから、これを超える作品に出会ったことがありません。

本当に面白くて、毎週毎週楽しみで、原因不明で倒れた時以外は深夜まで起きて見ていました。
絵は昔放送されていたハウス名作劇場のピーターパンの絵です。
なのでパッと見た感じは子供向けに見えますが、ちょっと流血シーンなどもあり、ストーリーも大人向けです。

ストーリーを一言で言うと、転生物です。

これがもう本当に面白い。
ヒロインのヘルガは転生を繰り返すギリシアの王女ティナ。
そのティナを追い、同じく地球で転生を繰り返すギリシアの科学者たち。この科学者たちは、自ら作り出した機械で前世の記憶を保持したまま転生できるのですが、前世の記憶を維持できるのは11歳までなので、その科学者たちは11年生きると、転生を繰り返します。
11歳の彼らが数年後にも同じ顔で現れるのが目撃され、彼らは記者にべフォールの子供たちと呼ばれます。(たしか死んだ場所の名前かなんかでした)

しかし何百年と転生を繰り返すうちに脱落する者、またその転生の歪みから閻魔?エンマ?(漢字忘れました)に襲われます。

この少年たちも面白いのです。
1話目を期待せず見た時にまずOPにノックアウトされ、話の雰囲気にダウンしました。
薄暗い街の中、全く何の前振りもなくべフォールの子供たちの会話から始まります。
何の事だかわけがわからず見てましたが、その雰囲気だけで見る気を持続させます。
この子たちがメインなのかと思いきや、今度はいきなり明るい雰囲気へとチェンジ。主人公トーマが施設に連れて行かれるヘルガとチットに出会います。
一体このアニメの趣旨は何だろう?という先の読めない面白さ。
そしてトーマ達の元へと姿を現すべフォールの子供たち。
しかし物語の核心は、中盤の過去編からです。それまでは寄り道とも言っていいストーリーが展開します。
最後にそれらが合致する時、きっとこの作品が好きにならずにはいられません。

OP、ED、絵、ストーリー、すべてにおいてクオリティが高く、すばらしい作品でした。まるで映画かと見紛うほどです。
本当に早く火曜日(放送日)にならないかと心待ちにしました。

私は基本アニメは好きなんですが、DVDとかは全く買いません。ですがこれだけはどうしても欲しくて買ってしまいました。
いまだにこの作品以外のDVDを持っていません。どうしても特典映像も見たかったですしね。



全7巻です。
本当にOP、ED何度聞いても飽きません。

そして「べフォールの子供たち」というBGM。
これが素晴らしく素敵な曲です。
名曲です。
もうこの曲を聴いただけで、ヨーロッパの霧が漂う煉瓦の街並みを、べフォールの子供たちが歩いているのが目に浮かびます。

子供の姿ですが、中は何百年も生きてきた大人です。
そして転生直後はそれぞれの両親の下で暮します。
それは短い時間の生活でしたが、リーダー的な存在のアギが再会した妹に見せる優しさなどたまりません。
子供の姿の中に存在する、本来の姿である大人の部分。
それが絶妙なアンバランス感を持っています。
ソレトと父親とのやりとりにも、思わず涙しそうになりました。
本来の親はギリシアにいるのでしょうけど、今の父親もその体の本当の父親です。
当然慈しんで育てられたのでしょう。それでもそれを振り切って、アギ達と合流します。彼らには11年しか時間がありません。
何度も何度も本来なら別の人格が宿るはずだった子供の中に転生し、11年でその人生を終わらせてしまう。どれだけの別れを繰り返してきたのでしょうか?
最後の彼女の選択に号泣しました。


あと、名前も響きが好きです。
べフォールの子供たちは、アギ、ソレト、ハスモダイ、ヒースマ、タルラント、メル、コンラート。
この少し不思議な響きが世界観に見事に調和していて・・・・・・って、さっきから褒めてばかりですね。
この中のコンラートは長い転生の人生より、生まれ育った家族との人生を選びます。
恋人のメルはそのコンラートに会いに行ったがために、転生のタイミングがずれ、記憶を持ったままの転生から外れます。

彼らは生まれた国、ギリシアの王の娘であるティナが見つかれば、ギリシアに保存してある自分の体に戻ることができるのですが、すでに400年が経過しています。

しかしやっと長い旅も終り、ティナの生まれ変わりヘルガと出会えます。

ですが彼らの前に、同じくギリシアの者が立ち塞がります。
そうそう、時々ハスモダイがヘッセの詩を朗読するのですが、黒マントでさ迷い歩く彼らにぴったりです。


こちらがその曲が入っているサントラです。
本当にこの「べフォールの子供たち」は素晴らしい曲です。


こちらはドラマCDっぽいですが、浮遊夢と言う曲が素晴らしいです。
しばらくはこの曲ばかり口ずさんでいました。
残念ながら原曲はロシア語なので読めないのですが。

このアニメは人物の動きも素晴らしいです。
過去編でセスが銃を持ちながら震える手、この動きが内心の動揺を表わしていて素晴らしいのです。
そして傷ついたセスが片腕を失いながら、一人城に向かいながら歩く時、静かな曲でよろめきながら歩き、それが延々と続くのですが、これもたまらなく良い。
本当にこの一人で歩くシーンは名シーンです。

過去編は現代編が子供たちが多いのに比べ、みんな大人ばかりです。
なんだか対照的でゾクゾクします。

・・・・・・勢いのあまり書いてしまったので、文章が変かもしれませんね。このまま書き続けると、最後がどうなるかまで書いてまいそうです。本当にストーリーと人物の絡み具合が面白いです。

本当に良いアニメで、素晴らしい名曲ぞろいです。

ファンタジックチルドレンの曲を聴くと、この世界にタイムトリップしてしまい、好きだという思いを抑えきれません。

何年か前に携帯サイトに書いた文章に追記しました。
(2012.3.24)